正月行事の所以=正月最初の「子の日(ねのひ)」に野山で
小松を引き、千代を祝うと言う風習があったそうです。
もともとは、平安貴族の遊びごとの「小松引き」が由来で、
子供の長寿祈願が基になっているようです。
平安貴族の小松引きの行事で持ち帰った「子の日の松」はやがて
家族の長寿祈願のために門前に飾るようになりました。現代まで、
この流れを受け継ぐのが関西地方では「根引き松」または
「根引き若松」を白和紙で包んだものを立てる習わしです。
平安時代に起こった門松の習わしはこのように簡素なものだった
のですが、やがて青竹三本を中心に周囲を若松で囲い下部を竹や
ワラで巻いて仕上げる形状で屋敷の大きさにあわせて飾るように
なりました。こちらは現在でも全国の銀行・百貨店をはじめ
一部の住宅で飾られていますが、竹の先端部の形状は、斜めに
ソギを入れたものと、真横に切ったものの2種類があります。
裏白シダは、左右に二枚の葉が広がることから「夫婦円満」を、
裏が白いことから「清らかな心」を表しています。
橙は、家族の「代々の繁栄」を表します。
ユズリハの木は、新しい葉が伸びてしっかりと固まってから
古い葉が垂れ下がり、そしてやがて落ちていくことから、
家督の確実な移譲と自然な世代交代の祈願が込められています。
注連縄には「結界を張る」という意味があり、神聖な場所と
俗な場所を区別しながら、その縄の奥に神聖なものがあり、
それを汚す魔物が立ち入らない魔除けの効果があるのです。
神社や寺院には巨大な注連縄が掛けられていますよね。
このように、正月飾りに用いられるもの
には全て意味があり、それらは家庭の
安泰と家族の長寿を祈るものでした。
また正月とは元日から三日までの
「三が日」をさしたり、松の内までを
言ったりします。さらに、松の内も、
七日までをさす地域が多いものの、
一部には二十日までや十五日までを正月
と呼ぶ地域もあります。
この記事へのコメントはありません。