お正月に欠かせない千両ですが、ちょうど正月の時期に赤い実をつける「めでたい」植物として、すでに江戸時代には園芸品種として親しまれていたそうです。還暦の「赤いちゃんちゃんこ」と同じように、めでたい時には赤い縁起物が欠かせないという習わしから現在も多くの家庭でお正月に飾られています。
ではなぜ「千両」という名前がついたのでしょう?まず「両」というのはお金の単位。千両といえば大金だったわけで大金持ちになれるのはめでたいこと=縁起物ということですね。
そしてお金の単位で「千」以外はないのかというと、じつはこの「両」シリーズ、一両から万両まであるんです。
一両は蟻通(アリドウシ)という棘の鋭いアカネ科の植物です。
十両は藪柑子(ヤブコウジ)のことで、山橘(ヤマタチバナ)ともいいます。
百両は同じくヤブコウジ科の唐橘(カラタチバナ)十両よりも少し背が高く実も多いです。別名は「百両金」、昔はとても高価で百両以下では手に入らなかったから、と言われています。
千両はご存じのとおり。センリョウ科の常緑低木です。
万両はヤブタチバナ。ヤブコウジ科(またはサクラソウ科)の緑起木です。こちらは千両に並んで有名です。
そしてなぜこの有名な2つの縁起物、千両と万両で格差があるのか?ですが一説には万両は葉の下に実が垂れてつくので重い。千両は葉の上に実が付くので軽い(お金の価値が軽い)ので万両のほうが格上という説。もう一説には千両は葉の上に実が付くので鳥に食べられやすい、万両は逆に食べられにくい。ということで万両の勝ちだそうです。
もしかすると単純に考え、実の大きさや数、背の高さとか、そういったもので判断されたのかもしれませんね。
お正月に縁起を担ぐのに「万両」と「千両」、それに「一両」を飾るといいそうです。
そのこころは「万両、千両、ありどうし」(大金がずーと手元にある)だそうです(笑)
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