「一夜飾り」の話。一夜飾りとは31日にお正月飾りをすることを言い、お年を召した方は嫌がります。ところがなぜダメなのか?というと意外と伝わっていません。これはその年の歳神様がいらっしゃる時間によります。新しい歳神様が家にいらっしゃるのは実は大晦日31日の早朝です。ですので、31日の昼間に飾るのでは新しい歳神様の訪問に間に合わない、ということです。旧年の歳神様がお帰りになるのは元旦の零時。ということは大晦日は前の歳神様と新しい歳神様が一緒に家にいることになります。で、何をしているかというと、実はその家の内情の引き継ぎをしていのです。いいことも悪いことも新しい歳神様にお任せして前の歳神様は帰っていきます。
ですので一般には一夜飾りはNGと言われていますが現代社会の実勢を鑑みるとそうもいっていられません。ギリギリまでお仕事をされてどうしても大晦日に飾られる方もいらっしゃるかと思います。そういう場合はぜひ新しい歳神様がいらっしゃるさいの目印になる門松(松を一本玄関先に飾ておくだけでもいいのです)だけ30日の夜までに飾りあとは「もういらっしゃっている」ことを意識しながら大晦日に飾りつけしてあげたらいいのではないでしょうか。飾らないよりよほどいい年になると思います。
今後一連の働き方改革で歳神様がいらっしゃる時間帯も変わるかもしれませんし、旧年の歳神様との引継ぎもICTの技術でもっと円滑に事前に終わらせることもできるようになるかもしれません(笑)かわっていく世の中に合わせながら、でも継承することはきちんと継承し次の時代にバトンを渡していきたいものですね。
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